ヴィトンの本物と偽物の見分け方・その2

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前回は製造番号(シリアルナンバー)や製造国に関してお話しました。

よくあるニセモノにあるのが、製品番号(型番)を
製造番号(シリアルナンバー)として刻印されている品物が
見かけられますね。

例:マルチカラー Wホック二つ折り財布
  製品番号(型番)→M92984

前回の解説では刻印されている製造番号(シリアルナンバー)は
英字2文字+数字4文字と説明しました。

しかしニセモノだと上記の製品番号(型番)である
英字1文字+数字5文字が刻印されている
事がよくあります。

「正規品」としてオークションで落札したという人に
「刻印されている番号を教えて下さい」と質問をしてみると、
自信を持って「型番」をお知らせしてくる人がいます。

私もオークションを初めたての頃は
「いやいや、製品番号(型番)じゃなくて、
お品物に刻印されている製造番号(シリアルナンバー)を
教えて欲しいんですけど・・・」
と、もう一度聞きなおすのですが、
それでもやっぱり自信を持って
「【型番】です。」とお答えされてしまった事がありました。

ニセモノを本物と信じているのか、かわいそうに・・・
と思ったり、
私が素人で知らないと思って、ニセモノの番号を言っているんだな・・・
と思ったりしました。

しかし、近頃はそう思うことすらも面倒なくらい
ニセモノが当たり前のように出回っています。

偽ブランドを持つ事・売る事は犯罪なんだ
早く気づいて欲しいものです。


さて、今回は見た目について少々書いてみますね。

1.素材の違い

お財布に関して、ヴィトンの外側は「トアル地」といって、
耐久性や柔軟性のある素材を使っています。
本物の革を使っていると未だに勘違いされている方もいらっしゃいますが
表面や札入れ・カード入れなどの裏地に本革は使っていません。

この「トアル地」とはキャンバス地に塩化ビニールでコーティングされています。
多少の雨やお水には耐えられるのですが、乾燥には弱いようです。


内側はモチロン本皮を使っています。

この外側と内側の素材の違いによって
日々のお手入れ・メンテナンス不足だったり
粗雑に扱う事によって、正規品であろうとも劣化が生じてきます。

よくある劣化現象が、「外側と内側の縮み具合の差」です。

その他に外側は乾燥すると縮んでパキパキっとひび割れが生じてきます。
それに対して、内側は「擦れ」により、革のコーティングが剥がれてきたり
手垢が付いて黒くなったり、コイン汚れによって黒くすすけてきたりといった
劣化が生じます。

コイン汚れや手垢は定期的に靴用のクリーニングムースで落とす事が出来ますし
栄養クリームで潤いを与えてあげてください。
これらを怠ると外側から縮んでワキがそっくり返って縫い目がずれて、糸のホツレ
糸切れ、バニシュの剥がれが生じてきますので、気をつけてくださいね。


それに引き換えニセモノの場合、
内側も本皮を使っていない場合が多く、
使用によって、パキパキっと亀裂が生じてきます。

「ひび割れ」どころではありません。
裂けそうなくらいの「亀裂」です。

写真で内側に「使用によるひび割れ」があった際は気をつけてくださいね。
本皮は折り曲げても「ひび割れ」なんて生じませんから。


2.ボタンホックなどの金具の凹凸

これはよく言われていますね。
ボタンホックの金具で「凸部分」が「球に近い丸」か「ちょっととがった角
なのか、
正規品は「ちょっととがった角(そろばんの玉みたいな形)」
ニセモノは「球に近い丸」
です。

ただ、経年劣化によって「ちょっととがった角」の両脇が削れて
くる場合がありますので、出来れば「超」ドアップで見ると判別
付きやすいかと思います。

凹部分の金具について、近年のヴィトン製品の場合
表面に「LouiVuitton」と刻印がされているのがほとんどですが、
旧作などとても古い製品は「LouiVuitton」と刻印されていない場合があります。

しかし、刻印されていないからといってニセモノだと決め付けないでくださいね。
前回の古い製造番号の場合と同じで、本物かニセモノかを判別するには
複数項目をチェックしてから判断した方がよいです。

さらに凸の反対側のチップ部分の金属の色ですが、
ニセモノはとてもピカピカしています。
経年劣化によって、この金ピカはシルバーに剥げてきます。

本物は経年劣化しても金色は金色のままです。
少々光沢が落ちてきたり、何かにぶつかるとへこんだり傷が付きますが
金から銀へ変わる事はありません。


3.ロゴのフォント

こちらもよく言われているのが「LouiVuitton(LOUI VUITTON)」の
「O」の文字のフォント(形)です。
ニセモノはこの「O」が楕円形のように細長く
本物は正円に近い「O」の形をしています。

また、「文字間の詰まり具合」も
ニセモノだと「空きすぎ」ていて
本物だと「詰まっている」のです。

私のようにデザインやDTPをお仕事としている人間にとって
ロゴなどの文字間というのは、非常に大切な箇所です。

通常のアルファベットの文字間の設定のままですと
バランスが悪くなってしまいます。
デザイナーはちゃんと、一つ一つ文字間を調節するのです。

また、フォントに関してもルイヴィトンは独自のフォントを作り、使用しています。
ワープロソフト(Microsoft・Word)などで「LOUIVUITTON」と打って
フォントを変えても、正規品と同じ字体にならないのはその為です。


この様に正規品はロゴデザイン一つとっても、その作業を丁寧になされていて
ニセモノは規定のフォントを使用した、ありきたり(低予算・手間のかかっていない)
ロゴデザインとなるのです。


4.接着面

見えない部分に関しても本物はしっかりと縫製、接着がされていますが、
ニセモノは安物だけあって、ベタベタの接着剤がはみ出ていたりします。

以前、ニセモノを手にしたとき、セメダインの様なベタベタの接着剤が
接合部分からはみ出てきていた事があります。

「小学生の図画工作か!」と言いたくなるくらいレベルの低い技術で
ニセモノは作られているんです。

そんなニセモノに安いからと言って、お金を払う事はしないようにしましょう。
持っていても恥ずかしいだけですよ。


5.縁(フチ)の素材の違い

ヴィトンでは縁をコーティングしている素材を「バニシュ」といいます。

本物の場合はこのバニシュは経年劣化で少しずつ磨耗していくのですが、
ニセモノの場合、このバニシュに「ゴム」みたいな素材を使っているのか
経年劣化や使用により「ひび割れ」てくるのです。
(それに少々臭いですしね)

本物は折り曲げる事をちゃんと考えて、革は強く、そして柔らかく、
縫い目もしっかりと縫って補強してあるんです。

きちんと使えば綺麗なまま使えるんです。

だから「高級」なんです。

「クラフトマンシップ(職人の心)」がこもった作品なんです。

その心を守る為にもニセモノは絶対買わないようにしましょうね。

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このブログ記事について

このページは、sumomoが2009年5月 1日 10:38に書いたブログ記事です。

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